合同会社の行方
このところの不況は会社設立(起業)にどのような影響があるのでしょうか?
会社設立サイトを運営している立場から考えててみました。
まず、完全に我が国でも不況という状態になったのはリーマンショック以来ですが、それは昨年の9月のことでした。
そこを起点に考えると、会社設立の件数は当サイト取扱いにおきましては、かなり増えているようです。
中でも、「合同会社」の設立件数が多くなっているととらえています。
事業年度の関係で3月が多いというのは理解できますが、10月から年末及び年始に会社設立件数が多かったのは逆に国内の不況と関係があると思います。
どのようなことで関係性があるかと言いますと、1つは現段階で給与所得者であるが会社設立をするといったタイプの兼業型のご相談が多いこと、また、消費税対策で個人事業から法人になさろうという方、取引先から法人形態を望まれて急を要して法人成りをする方がおおくなったように思います。
ご相談内容からわかることは、やはり不況に対しての対策のひとつとしての会社設立が増えているということだと思います。
給与所得者いわゆるサラリーマンは、今ある雇用がどこまで続くのか?といった不安をお持ちの方も多いでしょう。今のうちに得意分野や経験や人脈を生かして起業=会社設立!とお考えなのでしょう。
給与所得や雇われている会社を退職した際の退職金を利用して会社を設立・運営するのは
雇用不安に対する一種の防衛策でもあるわけです。
公的金融機関では創業者に対する融資も活発に行われておりますので良いチャンスかも知れません。
また、個人事業主は消費税対策として法人になることで最大2年間消費税の納税が免除されます。これは、大きなメリットであり、経済的に不況のため苦しくなった個人事業主にとっては売上が救われるところが大きいでしょう。
そして、従来の取引先はリスクヘッジのため、取引相手に法人化を望むというパターンも増えているようです。個人より法人の方がより様々な点で信用度も増すからでしょう。
以上のような不況下独特の会社設立においては、皆さん少ない資金で設立をしたいと考えるのは当然のことです。
株式会社にこだわらないのであれば「合同会社」が設立費用に関しては約3分の1で大変お安くなります。
合同会社と株式会社の違いは以前にも述べましたので、ぜひ参考になさってください。
現在のところ国内ではまだまだ認知度が低いという点を除けば、株式会社と比べても遜色ない会社形態だと思います。
これからも引き続き、「会社設立ひとりでできるもん」でも合同会社設立を応援していきますので、ぜひたくさんの合同会社を全国に作り、国内の認知度を高めてゆきましょう!
合同会社と株式会社の違い!
会社を設立する際、株式会社にするか、合同会社にするか?迷う方がたくさんいらっしゃいます。
比較する際に便利なように、株式会社、と合同会社の違いをまとめてみました。
1)設立費用
株式会社の場合
登録免許税(最低)15万円
定款認証費用 約5万2千円
合同会社の場合
登録免許税(最低)6万円
定款認証費用 不要
以上のように、法定費用は格段に合同会社の方が安く、また、「ひとりでできるもん」のご利用料金もシステム使用料7,350円は株式会社と同額ですが、行政書士の電子定款作成代行料金が株式会社より2,000円お安く3000円となっております。
2)役員の任期の違い
株式会社の場合・・・役員の任期は最長10年
合同会社の場合・・・任期の期限はなし
株式会社は任期が切れるごとに定款の書き換えが必要ですが、合同会社の場合は書き換えが不要であることがわかります。定款の書き換えにも3万~6万の免許税がかかります。
3)決算公告の義務
株式会社の場合・・・官報やインターネットにて公告の義務がある(それぞれ2・3万~5万円の費用が毎年かかります。)
合同会社の場合・・・公告の義務がない
4)経営の人的構成(会社の機関設計)の違い
株式会社は、発起人=出資者・株主と経営する側つまり取締役などが別れ、兼任もありますが、基本的には出資と経営は別であるという前提です。そのため、株主総会と取締役会などの設置があります。
一方、合同会社は出資者は全員、社員(従業員ではない)となり、その中から業務執行社員(取締役のような立場)と代表社員(代表取締役のような立場)になる者を決めます。
以上の違いから何が理解できるかというと、合同会社は、社員全員が出資者であり会社の経営に携わるという原則のもとに運営されるが、株式会社のように出資金の額により力関係が異なるというものではなく、あくまでも定款自治(定款で定めたとおりであり定款もある程度自由に作成できる)の原則で 運営されます。
従って、構成する人同士の信頼関係やそれぞれの人のもつ特徴(技術・知識・経験)を多いに活かせる法人形態だといえます。
その他、詳細の違いはありますが、以上でご理解いただけたでしょうか?
現在、まだまだ設立数が少ないということで、社会的認知度が若干低い合同会社ですので、事業内容と照らし合わせご検討ください。